二十日余り、なにをしていたのだろうというキモチ。
お彼岸の頃、山や川原や田んぼの辺りは彼岸花で真っ赤になってゆく。
この景色をきれいだなぁと思うのは、彼岸花に嫌悪感がないということ。
母方の祖父は、この花が好きではなかったそう。
庭から山へ続く小道に咲く大量の彼岸花を見事に引っこ抜いた日から数十年余り。
以来その小道に彼岸花は咲かなくなったなぁ、と母が振り返った。
「彼岸花と稲穂が実る田園風景はやっぱりきれいだね、」
そんな言葉、ひじいちゃんには届かないのだよ。
言われてみれば強烈に赤い。そして日ごと赤色に日常の風景がなってゆく。
人それぞれにやっぱりいろんな思いがあるわけで、
あたしはきれいな景色だなぁなんてホロリと涙が出るくらい感動したりする。